参政党の躍進!その2
「反知性主義」という言葉を(他者を批判するために)使う人は多くの場合「反知性・主義」というニュアンスで使っています。ようするに「知性(≒インテリの持っている知的優位性)に対するルサンチマンを束ねて政治運動化している」という主旨ですが、此れはザックバランな言い方をするなら「頭のよくない連中が我々インテリに逆恨みしている」と言いたいのを「反知性主義」と言い換えているだけであって典型的な「動機に訴える論証」という詭弁ではないでしょうか。
参政党は確かに反知性主義の勢力だと言えますが、正確に理解するならば、それは「反・知性主義」と解釈するべきでしょう。ここでいう「知性主義」とは「左翼ヘゲモニー」とほぼ同義です。知性的・理知的な、つまり「人としてまっとうな言動だ」と評されるものを、左派・リベラル派に親和的な意見や態度がほとんど独占してしまっていることに対する反発なのです。大衆の根底にあるのは「左翼ヘゲモニー」に反するような自分たちの意見や態度(≒素朴なナショナリズムや郷土愛や共同体志向)を「知性」という枠組みから締め出され、冷笑的に否定されてしまったことに対する憤懣です🤬/。
知性主義(≒何が『知性』にもとづく言論や思考や態度にあたるかは、我々がジャッジする)」という、決定権・解釈権の独占的支配に対する大衆の反発こそが、参政党を含む世界中の「反知性主義」と呼ばれるムーブメントの核心です。
これは一般論として付言して置きますが、お勉強の出来栄えで一定の地位を獲得してきた人たちには、自分たちに反発する人を見ると反射的に「頭のよい自分に対して嫉妬しているのだな」と考えてしまう悪い癖があるのです。その悪い癖が「反知性主義」という言葉の解釈でもモロに出てしまっています。「知性を持つインテリ左翼への嫉妬や劣等感やルサンチマン」ではなく「何が知性に当たるかを勝手に独占している人たちへの怒り」なのです。日本の「主流派」の言論人はほぼ全員がこの点を見誤っていて、だからこそ参政党現象を正確に見通すことができないのでした(;;)。

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